第45話 究極の自己満足 | ホークスを世界一に! 孫正義の21世紀革命2005

第45話 究極の自己満足


第45話


究極の自己満足






 8月20日(土)。杉内と西武・西口、両エースの力投が続いた。的場の強気のリードも冴える。先制タイムリーは松中(100打点)。

8回、バティスタが貴重な追加の2点目をあげた。技と技のぶつかり合いだ。

「見ごたえのある試合だった。(杉内は)最高のピッチングをしてくれたね。コントロールがよかった。今シーズン一番の出来だろう」(王監督)。杉内はハーラー単独トップ。毎回の奪三振14。ホークスは対西武、7勝7敗。

 この日は、第87回全国高校野球選手権大会最終日。駒大苫小牧が優勝。第30回大会の小倉(福岡)以来、57年ぶりの夏連覇を果たした。野球漬けの1日。とても幸せな日だった。



 孫家の家訓に「究極の自己満足」というのがある。孫正義は、「ナンバーワン主義」。なんでもナンバーワンでないと「生きている意味がない」というほどだ。「ビジネスもナンバーワンにならんものは絶対にやらん」と言ってはばからない。それはおそらく父・三憲の負けん気の強い気質を色濃く受け継いだものと思われる。

 そうした「ナンバーワン」を見てきた弟・泰蔵が、「ナンバーワンよりオンリーワン」の存在になりたいと思うようになったのは当然のことだろう。

「すごい兄貴だと尊敬はしていても、自分には自分の生き方がある」(泰蔵)。だが、兄弟に共通している考え方は、「どうすればハッピーになれるか」である。それぞれが自分にとっての「究極の自己満足」を追求する。それこそが自分だけでなく他人の幸せにもつながるかもしれない。

 


 8月21日(日)。対西武。ホークスは2回、ズレータが36号、2ランホームラン。3回には3点を追加した。5回までに6対0と大きくリード。楽勝かに思われた。だが、6回に3点を取られて新垣が降板。7回には1点差にまで詰め寄られていた。「息つくヒマのない試合」展開になった。結果は、馬原が6対5で接戦を制した。ズレータ、バティスタ、カブレラの外国人がお立ち台に登った。貯金は40に。

 これでパ・リーグ3位以内が確定。「貯金は目標を達したが、これからも一試合一試合を気合を入れてね、思い切ってやっていく。2位に5ゲーム以上の差をつけて1位が目標だ」(王監督)。

 どうすればハッピーになれるか。ともに「究極の自己満足」を追求する。事業家孫正義も指揮官王監督も、めざすところはひとつだ。

 23日からはロッテとの直接対決3連戦が始まる。城島も戦列に復帰する。

(文中敬称略)