第47話 日々新たなり | ホークスを世界一に! 孫正義の21世紀革命2005

第47話 日々新たなり

第47話


日々新たなり






 8月27日(土)。札幌ドームで、ホークスは日本ハムと対戦した。8回まで4対1でリードしていて勝ちパターンだ。「今日の試合は、もう大丈夫」と私は外出した。1時間後に試合結果を確かめて、私は思わず声を上げた。「あれ?」。日本ハム・小笠原の3ランで同点(この日2本目)。延長10回に田中幸のサヨナラ打。田中幸はプロ野球通算5人目の1000打点。吉武が3点のリードを守れず、守護神・馬原も機能しなかった。「まあ、こういう日もある」。

 8月28日(日)。どうしても「負けられない試合」(王監督)だったが、新垣のコントロールが定まらず、5回途中までに自責点8。まさかの連敗。「そう簡単にはうまくいかないということだ。福岡に帰って出直しだ。また、やり直します」(王監督)。指揮官は気持ちを切り換えていた。札幌ドーム、日本ハムに2連敗。誰が予測しただろうか。この週末、オリックス戦に3連勝した2位ロッテとのゲーム差は3に縮まった。だが、百戦錬磨の指揮官はいかなるときも日々、新たな気持ちになる。



 野球もビジネスも同じだろう。孫の圧倒的な精神力の強さは、自己刷新できる点にある。熱い情熱をもち、自己の信じた道を突き進む孫だが、同時にこれまでの事業プランを刷新できる柔軟さも併せもつ。孫は言う。「いままでの自分の作ってきたビジネスモデルを2、3年で変える。自己否定して、どんどん新しくするんです」。

 毎月、孫はアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中を飛び回っているが、年齢・地位などに関係なく相手の懐にとびこんでいく。偏見のない心は、常に新しいものを受け入れることができる。

 ブロードバンドでは、日本や韓国は世界でもっとも進んでいる。ビジネスチャンスはいくらでもある。「この業界の中でも(いい意味で)へんな人はいっぱいいる。これまでの事績や経歴は関係ない。ほんとうの実力社会がやってきた」と孫は言う。

 ナローバンドの時代はインターネット1、ブロードバンドが普及しつつある現代はインターネット2。スピードの差は1000倍もある。「こんなチャンスにあふれた時代はない」と孫。

 時代はデジタル情報社会に向かって一直線に突き進んでいる。そのために、いちばん必要なことは「柔軟な頭脳だ」(孫)。変わらなければならないのは自分自身だ。日々新たなり。

 インターネットはいまや4大メディアを超えた。あらゆる情報をインターネットで知る時代になった。



 30日(火)から福岡ドームでロッテとの2連戦。どんな新しいホークスが見られるか。

(文中敬称略)