第48話 簡単な問題 | ホークスを世界一に! 孫正義の21世紀革命2005

第48話 簡単な問題

第49話

簡単な問題


 9月3日(土)。杉内は西武・西口と最多勝対決に挑んだが、手痛い2発を浴びた。打線の援護もなく17勝を逃した。「玉が高く浮いてしまった」(杉内)。

 9月4日(日)。サンデー新垣が好投。高速スライダーが復活した。4安打、新垣は自己最多タイの14K。「できれば寝ないでこのピッチングを覚えておいてほしい」(王監督)。「奪三振王」新垣が復活した。復調7勝目、今年いちばんの内容だった。

 9月5日(月)。ソフトバンクは総務省に携帯事業サービス新規参入を申請した。参入を計画する他の事業者に先駆けて第1号の申請。早ければ、2006年秋のサービス開始をめざす。

 28年前のこの日、読売巨人軍の王貞治が国民栄誉第1号を受賞している。

王選手は756本の本塁打世界最高記録を樹立したのだ。

 9月6日(火)。オリックス戦。和田が好投したが逆転負け。

 9月7日(水)。斉藤、16連勝のかかった試合だったが、オリックスに連敗。

「もうちょっと何試合かは我慢だな」(王監督)。

 ズレータが欠場、城島は肩の痛みが完治せず、苦しい戦いを強いられている。

 孫は言う。

「われわれは足りない人材、足りないお金、足りない経験、足りない知識という状況の中で、それでももがき苦しみながら這い上がってきた」

 孫は苦しみ、我慢のすえに這い上がってきた。

「夢を強烈にもって、それが志に昇華するところまで思い続けると、いつの間にか足りないものは勝手に揃ってくる」

 しかし、夢は現時点で実現されていない。どうするか。

 その夢に数値を与え、期限を与える。するとその問題点が明確になる。この具体的な問題点がわかれば、半分解決できたようなものだ。そのとき最初に自分に言う言葉がある。

「それは簡単だ。それは簡単な問題ですと、最初に自分に言うのです。そこから解決策を考えるのです。簡単だと思えば、頭の筋肉がリラックスして解決策がどんどん出始める」

 問題点が出て、これは難しい問題だと一言吐くと、筋肉が硬直していい案が浮かばないと孫は考える。

「知恵がぎこちないものになってしまう」

 最もオーソドックスに本質の解決策を、大枠を考えることが大切だ。孫は言う。

「シンプルに考える」

(文中敬称略)